ここちノート

「ふつう」と比べて落ち込む日々に寄り添う。比べる対象を自分に変えるヒント

Tags: ふつう, 比較, 自己肯定感, 生き方, 心の健康

「みんなはこうなのに…」と比べて、心が疲れていませんか

周りの友人や同世代の人たちと自分を比べてしまい、漠然とした不安や焦りを感じることはありませんか。SNSを見ていると、楽しそうな毎日を送っているように見えたり、着実にキャリアを積んでいるように見えたり、結婚や子育てといったライフイベントを経験している様子が目に飛び込んできて、「それに比べて自分は…」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。

私たちが生きる社会には、なんとなく「こうあるべき」とされる「ふつう」の基準があるように感じられます。学校を卒業したら正社員になって働くこと、何歳までには結婚すること、といった、社会的な「ふつう」のレールのようなものです。もし、そのレールから少し外れていると感じたり、自分のペースで進んでいるだけなのに周りから遅れているような気がしたりすると、心がざわついたり、自分を責めてしまったりすることもあるでしょう。

こうした「比較」から生まれる悩みは、決してあなた一人だけが抱えているものではありません。多くの人が、多かれ少なかれ他人や社会の基準と自分を比べて、不安になったり自信をなくしたりする経験をしています。

「ふつう」って、一体誰が決めたのでしょう

そもそも、「ふつう」とは何でしょうか。それは、大多数の人たちが選択したり、経験したりすることかもしれません。でも、社会は常に変化していますし、人それぞれ価値観も得意なことも違います。ある時代、ある場所での「ふつう」が、別の時代、別の場所では「ふつう」ではないこともあります。

働き方一つとっても、終身雇用が当たり前だった時代から、非正規雇用やフリーランス、あるいは副業を組み合わせるなど、多様な選択肢が現実的になっています。結婚の形も、家族のあり方も、以前に比べてずっと多様になっています。

誰かの「ふつう」は、あなたの「ふつう」である必要はありません。もし、あなたが今いる場所が、誰かが決めた「ふつう」のレールから外れているとしても、それはあなたの人生の可能性を狭めるものではなく、むしろあなただけの道を歩むチャンスなのかもしれません。

大切なのは、周りの基準に自分を無理やり合わせようとすることではなく、あなたがあなた自身の「ここちよさ」や「大切にしたいこと」に気づくことです。

比べる対象を「他人」から「自分」に変えてみませんか

他人と比べてしまう時、私たちは往々にして、相手の「良い部分」と自分の「足りないと思っている部分」を比べてしまいがちです。相手のSNSの投稿は、その人の人生のほんの一部を切り取ったものであり、見えないところでの努力や悩みがあるのかもしれません。

もし、どうしても何かと比べたいと感じるなら、比べる対象を「他人」から「過去の自分」に変えてみるのはいかがでしょうか。

例えば、半年前の自分、1年前の自分と比べて、今の自分はどうでしょうか。ほんの小さなことでも良いのです。「以前はできなかった〇〇が、少しできるようになった」「前よりも気持ちの切り替えが早くなった」「苦手だった〇〇に、少しだけ挑戦してみた」など、過去の自分と比べて成長したり、変化したりしている点に目を向けてみてください。

他人との比較は、時に私たちの自信を奪いますが、過去の自分との比較は、自分が歩んできた道のりを肯定し、未来への一歩を踏み出す勇気をくれることがあります。

自分自身の「ここちよさ」を大切にするヒント

他人との比較から距離を置き、自分自身のペースで進むためには、自分にとっての「ここちよさ」を知り、大切にすることが役立ちます。

まとめ

社会の「ふつう」や他人と自分を比べてしまい、心が疲れてしまうことは誰にでも起こり得ることです。もし今、あなたがそう感じているとしても、それはあなたが「ふつう」から外れているわけでも、価値がないわけでもありません。

あなたには、あなただけの価値があり、あなただけのペースがあります。比べる対象を他人から自分に変え、過去の自分と比べて今の自分の変化や成長に目を向けてみてください。そして、周りの基準に振り回されず、自分自身の「ここちよさ」を基準に、自分の人生を歩んでいくことを大切にしてください。

ここちノートは、誰かの「ふつう」に縛られず、あなた自身があなたらしくいられるための心の拠り所となることを願っています。あなたが少しでも楽になり、「これで良いんだ」と思えるようなヒントを、これからもお届けしていきたいと考えています。