ここちノート

人に合わせて疲れてしまう自分と、ここちよく付き合うヒント

Tags: 人間関係, 自分らしさ, 疲労回復, 自己肯定感, 心の持ち方

「人に合わせてばかりいるな」と感じたら

周りの意見を優先したり、場の空気を読んで自分の気持ちを後回しにしたり。気づけば「また人に合わせてしまった」と疲れてしまうことはありませんか。

「和を大切にする」「協調性がある」ことは、もちろん素晴らしい長所です。ですが、それが度を超すと、自分の心が消耗してしまい、だんだんと自分自身が分からなくなってしまうこともあります。

なぜ、私たちは人に合わせてしまうのでしょうか。そして、人に合わせすぎて疲れてしまう自分と、どうすればここちよく付き合っていけるのでしょうか。今回は、そんな疑問に寄り添いながら、いくつかのヒントをお伝えしたいと思います。

なぜ、私たちは人に合わせてしまうのか

人に合わせてしまう背景には、様々な理由があると考えられます。

これらの気持ちは、決して悪いものではありません。むしろ、人間関係を円滑に進める上で役立つことも多くあります。しかし、常にこれらの気持ちに突き動かされて自分の本心を抑えつけてしまうと、心には少しずつ無理がたまっていきます。

人に合わせすぎることで感じるしんどさ

人に合わせ続けることで、以下のようなしんどさを感じることがあります。

こうしたしんどさを感じているあなたは、もしかしたら、一生懸命周りに配慮し、気を遣いながら生きているのかもしれません。それはあなたの優しさや真面目さの表れでもあるのです。

人に合わせすぎてしまう自分と、ここちよく付き合うためのヒント

では、そんな自分とどう向き合っていけば良いのでしょうか。すぐに完璧に変わる必要はありません。ほんの少しだけ意識を変えてみたり、小さなことから試してみたりすることで、心が少し楽になるかもしれません。

1. 自分の心の声に気づく練習をしてみる

「今、自分はどう感じているかな」「本当はどっちを選びたいかな」と、立ち止まって自分の心に問いかけてみる時間を持ってみましょう。例えば、友達に誘われた時、「行きたいな」と思うのか、「本当は家でゆっくりしたいな」と思うのか。外食のメニューを選ぶ時、「周りが勧めるからこれにしようかな」ではなく、「自分はこれが食べたいな」と感じるものに意識を向けてみる。

最初は分からなくても大丈夫です。ただ、自分の心の声に耳を傾ける習慣をつけるだけで、少しずつ自分の本音に気づけるようになっていきます。

2. 小さなことから「合わせない」を試してみる

いきなり大きな決断や人間関係に関わることで「合わせない」を実践するのは難しいかもしれません。まずは、影響の少ない日常の小さな場面で試してみましょう。

例えば、コンビニで飲み物を選ぶ時、普段なら周りの人がよく買うものや流行っているものを選ぶかもしれませんが、今日は自分の好きなものを選んでみる。会話の中で、分からなかったことを分かったふりをするのではなく、「それはどういう意味ですか?」と穏やかに聞いてみる。

こうした小さな積み重ねが、「自分の選択をしても大丈夫なんだ」という感覚を育ててくれます。

3. 穏やかな自己表現を練習してみる

自分の意見を言うことや、誘いを断ることが苦手だと感じる方もいるかもしれません。それは、相手を傷つけたくない、関係を悪くしたくないという気持ちがあるからかもしれません。

断る時も、「ごめんね、その日は別の用事があって」「少し疲れているから、また今度誘ってもらえると嬉しいな」のように、理由を簡潔に伝えたり、代替案を示したりすることで、相手への配慮を示しながら穏やかに伝えることができます。

自分の意見を伝える時も、いきなり強く主張するのではなく、「私はこう思うんだけど、どうかな?」「こういう考え方もあるんじゃないかな」のように、柔らかい表現を使うことで、相手も受け止めやすくなります。

4. 「嫌われても大丈夫」を少しだけ受け入れてみる

人に合わせてしまう理由の一つに、「嫌われたくない」という強い思いがあるかもしれません。もちろん、誰からも好かれたいと思うのは自然なことです。しかし、全ての人に好かれることは難しいのが現実です。

あなたがあなたらしくいることで、離れていく人がいるかもしれませんが、一方で、ありのままのあなたを受け入れてくれる人や、より深く理解し合える人が必ず現れます。すべての人に好かれようとするのではなく、自分にとって大切な人との関係をより良くしていくことに目を向けてみましょう。

5. 人に合わせる自分も、そうでない自分も肯定する

人に合わせる癖がある自分を責める必要はありません。それはあなたが周りを大切にできる、優しい人である証拠です。

大切なのは、「人に合わせること=悪いこと」と決めつけるのではなく、それが今の自分にとってここちよいバランスかどうかを考えることです。時には周りに合わせることも必要でしょうし、時には自分の心を優先することも必要です。

その時々の状況や自分の心の状態に合わせて、柔軟に「合わせる」と「合わせない」を選べるようになること。そして、どちらを選んだ自分も「これでいいんだ」と肯定してあげることが、自分とここちよく付き合うための第一歩となります。

あなたの心のここちよさを大切に

人に合わせすぎて疲れてしまうあなたは、これまで頑張ってきましたね。周りのために自分を後回しにしてしまうことも多かったかもしれません。

これからは、ほんの少しでいいので、ご自身の心の声にも耳を傾けてみてください。あなたがあなたらしく、心ここちよく過ごせる時間が増えることを願っています。

自分を大切にすることと、周りを大切にすることは、決して相反することではありません。バランスを取りながら、あなたらしいここちよい生き方を見つけていけるよう、応援しています。