ここちノート

「何もしていない時間」に罪悪感を感じたら。非生産的な時間とのここちよい付き合い方

Tags: 時間の使い方, 罪悪感, 自己肯定感, 心の健康, 休息, 生産性

「何もしていない時間」に感じる、あのモヤモヤ

なんだか一日中家にいたけれど、特別なことは何もしていない。SNSを見たり、テレビを見たり、ぼーっと過ごしてしまった。そんな日が終わる頃、心にじわじわと罪悪感が広がってくることはありませんか。

「あぁ、今日も何も生産的なことをしなかったな」 「せっかく時間があったのに、無駄にしてしまった」

特に、時間の使い方が周りの人とは違うと感じる方や、将来への漠然とした不安を抱えている方は、このように感じる場面が多いかもしれません。「もっと有効に時間を使わないと置いていかれる」「このままではいけない」という焦りや、社会全体に漂う「常に何かをして、成長し続けなければならない」という空気も、私たちにこうした罪悪感を感じさせる要因の一つなのかもしれません。

でも、その「何もしていない時間」は、本当に無駄な時間なのでしょうか。

「非生産的」に見える時間にも、大切な意味がある

私たちはつい、目に見える成果や結果に繋がる時間だけを「価値ある時間」だと捉えがちです。資格の勉強をしたり、副業をしたり、スキルアップのために何かを学んだり。もちろん、そういった時間も素晴らしいものです。

しかし、人間の時間全てが、常に何かを生み出すための時間である必要はありません。一見「何もしていない」ように見える時間の中にこそ、実は私たちの心や体にとって、とても大切な役割を持つ時間があるのです。

例えば、

私たちが活動するためには、充電期間が必要です。スマートフォンも、一日中使い続けたら充電が必要なのと同じように、私たち人間も意識的に「非生産的」と思える時間を取り入れることで、また次の一歩を踏み出すエネルギーを養っているのです。

非生産的な時間と、ここちよく付き合うためのヒント

「何もしていない時間」への罪悪感を少しでも和らげ、その時間を自分にとって必要なものとして受け入れるために、いくつかの考え方や工夫をご紹介します。

1. 「生産性」以外の価値基準を持つ

時間の価値を「生産性」だけで測るのをやめてみましょう。「楽しい時間」「リラックスできる時間」「心が満たされる時間」「自分を労わる時間」など、他の価値基準も大切にしてみてください。何もしていない時間も、「心を休ませる時間」や「自分を満たす時間」として捉え直すことができます。

2. 「何もしない時間」を予定に入れる

罪悪感を感じやすい場合は、いっそのこと「何もしない時間」「好きなように過ごす時間」を意識的に予定に入れてしまうのも一つの方法です。「〇曜日の午後は、何もせず好きなことだけをする」と決めてしまえば、「やらなきゃいけないこと」があるのに何もしていない、という感覚が和らぎます。

3. その時間を「自分に必要な充電期間」だと捉え直す

「何もしていない」のではなく、「今は、次に進むためにエネルギーを蓄えている時間だ」と考えてみましょう。無理に活動しようとせず、心と体が求めている休息やゆとりの時間を自分に与えることは、決して無駄なことではありません。

4. 小さな「ここちよさ」を見つける

完璧な「生産的な一日」を目指すのではなく、「今日の数時間、この瞬間はここちよかったな」と思える小さな瞬間を見つけてみてください。温かい飲み物をゆっくり飲む時間、お気に入りの音楽を聴く時間、窓の外を眺める時間。そうした時間一つひとつが、心を穏やかにしてくれます。

あなたにとって大切な時間を、あなたが決める

社会の「ふつう」や「こうあるべき」という価値観は、知らず知らずのうちに私たちの心に影響を与えます。常に生産的でなければ、何か特別な成果を出さなければ、と焦りや罪悪感を感じてしまうことがあるかもしれません。

しかし、あなたがどんな時間を過ごすかは、あなたが決めていいのです。「何もしていない時間」も、あなたが心安らぐために必要な時間であれば、それはあなたにとってかけがえのない大切な時間です。

自分にとっての「ここちよさ」を大切にしながら、非生産的な時間とも上手に付き合っていく。そんな自分らしい時間の使い方を、一緒に見つけていきましょう。ここは、あなたのどんな時間も肯定できる、心の拠り所でありたいと願っています。