漠然とした日々でも安心できる。「やりたいこと探し」を手放すヒント
「やりたいこと」が見つからなくて、焦りを感じていませんか
漠然とした日々の中で、「何かこれを成し遂げたい」「これが自分の天職だ」というような、「やりたいこと」が見つからず、焦りを感じることはありませんか。
周囲の人が夢中になれるものを見つけてイキイキとしているように見えたり、SNSで「やりたいことリスト〇〇個達成!」のような投稿を見かけたりすると、自分だけが立ち止まっているような、置いてけぼりにされているような気持ちになるかもしれません。
特に、世の中では「目標を持って頑張る」「自分の情熱を追求する」ことが良いこととされがちです。そうした価値観に触れるたび、「自分にはそれが無い」と感じて、漠然とした不安や自己否定につながってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「やりたいこと」の定義は一つではありません
そもそも、「やりたいこと」とは何でしょうか。多くの人がイメージするのは、仕事につながるような大きな目標や、人生を賭けるに値するような情熱の対象かもしれません。しかし、「やりたいこと」の定義は、決してそれだけではありません。
例えば、
- 休日にお気に入りのカフェでゆっくり本を読む時間
- 好きな音楽を聴きながら散歩すること
- 部屋をきれいに片付けて心地よい空間を作ること
- 美味しいものを味わって心満たされること
- 気の置けない友人と笑い合う時間
これらも、あなたが「やりたい」と感じて、実際に選び取っている大切な時間ではないでしょうか。人生をかけた大きな目標だけが「やりたいこと」なのではなく、日々のささやかな時間の過ごし方や、自分が心地よいと感じる瞬間も、あなたにとっての「やりたいこと」と言えます。
「見つからない」ことを肯定してみる
もし今、世間で言われるような「大きなやりたいこと」が見つからないとしても、それは決して悪いことではありません。むしろ、それは「今は何かを探す時期ではない」ということかもしれませんし、「特定の何か一つに囚われず、多様な可能性に対して開かれている状態」なのかもしれません。
「やりたいこと探し」という言葉自体が、「何か特別な、見つけなければならないものが外に存在している」という前提に基づいていることがあります。しかし、あなたの「やりたい」という気持ちは、あなたの内側にある、自然な感覚です。外の期待に応えるために無理に見つけようとする必要はありません。
焦りを手放し、日々の心地よさに目を向けるヒント
「やりたいこと」が見つからない焦りから少し距離を置き、心を落ち着かせるためのヒントをいくつかご紹介します。
- 日々の小さな「心地よさ」に意識を向ける 「何か大きなこと」を探すのを一旦お休みして、今日一日の中で「やっていて少し楽しかったこと」「心地よいと感じたこと」「心落ち着いた時間」に意識を向けてみてください。それはほんの数分でも構いません。そうした小さな感覚の積み重ねが、あなた自身の「やりたい」という気持ちのヒントになることがあります。
- 「何もしない時間」を大切にする 常に何か生産的なことをしていなければ、と考えてしまう必要はありません。ただぼーっとする時間、好きなだけ眠る時間、目的なく散歩する時間など、「何もしない時間」を意図的に作ってみましょう。心が休まることで、本当に大切なことが見えてくる場合もあります。
- 過去の「好き」を思い出してみる 子どもの頃や学生時代、特に理由もなく好きだったこと、時間を忘れて没頭したことはありませんでしたか? それは「やりたいこと」として言語化されていなかったかもしれませんが、あなたの「好き」の原点かもしれません。義務感なく楽しめることに、改めて目を向けてみるのも良いでしょう。
- 他人や社会の期待から一度距離を置く 「〇〇でなければならない」「普通はこうだ」といった、外からの期待や価値観から意識的に距離を置いてみましょう。自分が本当にどう感じているのか、何に心惹かれるのか。静かに自分の心に問いかけてみてください。
あなたのペースで、あなたの「ここちよさ」を大切に
「やりたいこと」が見つからない日々は、一見立ち止まっているように見えるかもしれません。しかし、それはあなたの内側で大切な何かが育まれている時間なのかもしれません。
社会的な「ふつう」や他人の価値観に振り回されず、ご自身の内側にある声に耳を澄ませてみてください。日々の小さな「心地よさ」を大切にすることから始めても、きっと大丈夫です。
焦る必要はありません。あなたのペースで、あなたが「ここちよい」と感じる選択を重ねていくことこそが、あなたらしい生き方へとつながっていくのだと、私たちは考えています。
あなたは、あなたのままで十分素晴らしい存在です。